「肉まん」と呼ばれる中華まんじゅうがあります。
でもこの「肉まん」、関西では「豚まん」として親しまれているのをご存知ですか?
関東と関西では、同じ食べ物でも呼び方が変わることがあるのです。
今回は、そんな興味深い食文化の違いに迫ってみましょう。
関西の「豚まん」とは?東西の食文化を探る
「肉まん」と「豚まん」。
一見ちょっとした呼び方の違いですが、その背景には関東と関西の食文化の違いが隠れています。
今回は、この呼び方の謎を軸に、東西の食文化の違いを掘り下げていきます。
ポイントは以下の通りです。
・関東と関西で「肉」の考え方が違う
・カレーや肉じゃがに使う肉も地域で違いがある
・これらの違いには歴史的な背景がある
・単なる好みの問題ではない、奥深い食文化の違い
それでは、さらに詳しく見ていきましょう。
「肉まん」vs「豚まん」! 呼び方の謎に迫る
まずは、「肉まん」と「豚まん」の呼び方の違いについて詳しく見ていきましょう。
関東では、コンビニや惣菜コーナーでおなじみの白くてふわふわした中華まんじゅうを「肉まん」と呼びます。
一方、関西の人々は同じものを「豚まん」と呼ぶのです。
「関東と関西で呼び方が違う」と知ったとき、私はびっくりしました。
でもよく考えてみたら、中華まんじゅうの具には牛や鶏より豚肉が使われることが多いので、関西の「豚まん」という呼び方は理にかなっています。
では、なぜ関東では「肉まん」という名前が定着したのでしょうか?
その謎に迫っていきます。
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東西で違う「肉」の認識とその影響
東日本と西日本では、「肉」という言葉の捉え方に違いがあります。
関東では、「肉」と言えば豚肉、牛肉、鶏肉のどれを指すか決まっていません。
一方、関西では「肉」と言えば、通常は牛肉を指すことが多いのです。
この認識の違いが、中華まんじゅうの呼び方にも影響しています。
関西では、豚肉の入った中華まんじゅうを「肉まん」と呼んでしまうと、牛肉が入っていると勘違いされかねません。
なのではっきりと「豚まん」と呼ぶようになったのです。
こういった東西の食文化の違いは、同じ日本でも地域によって食の捉え方が違うことを示しています。
さらに、この違いは他の料理にも及んでいます。
カレーの肉選び、関東と関西で大違い!
あなたのご家庭では、カレーにどの肉を使いますか?
関東の多くの家庭では、カレーといえば豚肉が定番です。
対して関西では、カレーに牛肉を使うのが一般的なんです。
なので面白いことに、関西では豚肉や鶏肉を使ったカレーを、きちんと「ポークカレー」「チキンカレー」と呼ぶらしいですよ。
なんだかオシャレですよね。
この呼び方の違いも、関西で「肉=牛肉」という認識が広まっているからなのです。
肉じゃがの具材も東西で違う!
カレーだけじゃありません。
肉じゃがの具材選びにも東西の違いが表れています。
関東では肉じゃがと言えば豚肉、関西では牛肉が主流なのです。
また、肉うどんも同様で、関東では豚肉、関西では牛肉が主に使われます。
これらの例からも、関西では「肉=牛肉」という認識が強いことがよくわかりますね。
関東は豚肉、関西は牛肉が主流になった歴史的背景
なぜ関東では豚肉、関西では牛肉が主流なのでしょうか?
実は、この違いには日本の歴史が深く関わっているんです。
昔の日本の農業では、家畜が大事な役割を担っていました。
関西では牛、関東では馬が主に農作業に使われていたんですね。
でも日清・日露戦争の頃、軍用食として牛肉の缶詰がたくさん作られました。
そのせいで、国内で牛肉が不足してしまったんです。
そこで関西では、農耕用の牛を食用に回すことにしました。
そうやって肉不足をしのいだんですね。
一方、関東では農業に馬を使っていたので、代わりに豚を食料源として利用するようになりました。
豚は育てやすく繁殖力も高いので、食糧不足の時期にはぴったりだったんです。
こうして、関西では牛肉、関東では豚肉が主に使われるようになりました。
このように、関東と関西で肉の好みが分かれたのは、それぞれの地域の歴史が影響しているんですね。
単なる食の好みの問題ではなかったんです。
「肉まん」vs「豚まん」!関東と関西の文化の違いを表す呼び方まとめ
「肉まん」と「豚まん」、あなたはどっちの呼び方に親しみを感じますか?
こうなってくると、他の地域ではどう呼ばれているのか気になりますよね。
ふだん何気なく食べている料理も、実は住んでいる地域によって呼び方が違うのかもしれません。
あなたの地域には、どんな特徴的な食文化がありますか?
もしかしたら関東や関西以外の地域にも、「肉」に関する独自の文化があるかもしれませんね。