カレンダーやスケジュール管理でよく目にする「下旬」。
でも、実際にいつからいつまでを指すのか、はっきりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。
一般的には「月の後半」というイメージがありますが、実はもっときちんとした期間が定められています。
この記事では、「下旬」の期間について正確な定義を詳しく解説します。
さらに、「下旬」の日常会話での使い方や、「上旬」「中旬」との違いにも触れ、コミュニケーションに役立つ情報をお伝えします。
それでは、「下旬」について掘り下げていきましょう。
「下旬」の意味とその起源
「下旬」の意味をより深く理解するために、その定義と語源を見ていきましょう。
まずは辞書で調べてみました。
月の21日から末日までの間。月の終わりのころ。下澣(げかん・かかん)。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
下旬(げじゅん) とは? |goo辞書
辞書によると、「下旬」は月の21日から月末までを指すみたいです。
また、「月の終わりのころ」とも言われていますね。
日常会話で「月の終わりごろ」というと、なんとなく25日以降をイメージしますが、この場合は違うようです。
さらに、あまり聞きなれない「下澣(げかん・かかん)」という言葉もあります。
この用語は、中国の唐の時代に由来します。
その当時、官吏には10日ごとに休沐日(休息と沐浴の日)が設けられていました。
その10日ごとの区切りを「澣(かん)」と呼んでいたんですね。
「下澣」はそこから来た言葉です。
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「下旬」の期間
「下旬」は具体的に月の21日から月末までを指します。
なので、8日から11日間の幅があります。
(1ヶ月は28〜31日と、月によって違うので)
ちなみに「旬」という字には「十日間」という意味があり、時間を計る単位として使われてきました。
この概念も古代中国に由来しています。
十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)を使って日数を数えていくと、ちょうど10日でひと回りします。
この10日ごとのひと区切りを「一旬」としていました。
ここから、月の21日から月末までを「下旬」と呼ぶようになりました。
ただ、先ほども言ったように下旬は必ずしも10日で区切られるわけではありません。
月によって、8〜11日と幅があります。
「下旬」の使い方と具体例
ここでは、日常生活で「下旬」がどのように使われるか、具体例を挙げて説明します。
「下旬」は、あいまいな時期を表すのに便利な表現です。
例2:「それなら、みんなで集まろうか。3月の下旬は予定を空けておいて」
例3:「紅葉を見るなら、10月の下旬にその有名な寺に行ってみようよ」
以下、それぞれの例文の解説です。
例2:久しぶりに友だちみんなで会う計画を立てていて、3月の下旬を提案しています。
例3:紅葉の季節に合わせて、10月下旬に名所の寺に行く計画を話しています。
これらの例から、「下旬」を使うと過去や未来の日程を柔軟に表現できることがわかります。
ビジネスシーンでの「下旬」の効果的な使い方
ビジネスの場でも「下旬」はよく使われますが、適切に使うコツがあります。
「下旬」は月の21日から月末までの期間を指すときに便利です。
ただ、「下旬」は期間が比較的広いため、誤解を与えないよう注意が必要です。
具体的な日程が求められる状況では、「下旬」というあいまいな表現は避けたほうがいいでしょう。
「25〜29日まで」や「月末日まで」のように、具体的な日付を使うのがおすすめです。
また、相手が「下旬」の意味を正確に把握していないこともあります。
そのため、ビジネスでは基本的には正確な日程を書いた方が無難です。
「上旬」「中旬」「下旬」の違いについて
これまで「下旬」の定義と使い方を説明してきましたが、ここでは「上旬」や「中旬」との違いを詳しく見ていきましょう。
・「中旬」は月の11日から20日までの10日間
上旬や中旬は必ず10日間あるんですね。
でも「下旬」は他の期間と違い、月によって日数が変わります。
・4月、6月、9月、11月は10日間
・2月は8日間(うるう年は9日間)
このように、「下旬」は他の二つの期間と比べて、日数が一定じゃないところが特徴です。
「下旬」についてのまとめ
この記事では、「下旬」が具体的に月の21日から月末までを指すことを詳しく解説しました。
また、「下澣(げかん・かかん)」という同じ時期を表す別の言葉も紹介しました。
これで、「下旬」に関する疑問が解消されていると嬉しいです。