最近よく耳にする「フリーアドレス」。
これは、社員が毎日好きな席を選んで仕事ができる新しいオフィススタイルのことです。
決まった席を持たずに、その日の気分や仕事内容に合わせて自由に座る場所を選べます。
これにより、普段あまり話さない人とも自然と会話が生まれたり、柔軟な働き方ができたりすることが期待されています。
現在、いろんな会社で導入が進んでいるフリーアドレス。
でも実は、万人に合う制度とは限らないんです。
例えば、「いつも同じメンバーと近くにいたい」という方や、「自分の決まった場所で集中して仕事をしたい」という方にとっては、かえって仕事がしづらくなってしまうこともあります。
それらを踏まえて、フリーアドレスの懸念点について見ていきましょう。
従来の固定席スタイルが合う職場もある
フリーアドレスがうまくいくかどうかは、会社の雰囲気や、どんな仕事をしているか、そして何より社員の皆さんがどう感じるかによって大きく変わってきます。
ある会社では「大成功！」という例もあれば、「やっぱり元に戻そう……」というケースもあるんです。
だからこそ、フリーアドレスの導入を考えるときは、「うちの会社に本当に合っているのか？」をしっかり考えることが大切です。
会社の特徴や、社員の働き方をよく観察して、みんなが気持ちよく働ける環境を選んでいきましょう。
毎日の準備や片付けに時間がかかるかも
フリーアドレスを始めると、意外と面倒に感じることもあるんです。
というのも、社員は毎日荷物を持ち運ばなきゃいけないんですよね。
普通なら机の引き出しに文房具やファイルを置いておけるのに、フリーアドレスだとそうもいきません。
代わりに個人用のロッカーが用意されていたとしても、毎朝必要な物を取り出して、夕方にはまた片付けるという作業が増えてしまいます。
それに、広いオフィスだと「あれ？〇〇さんどこにいるんだろう？」という状況も。
特に新しく入った社員さんは、まだ名前と顔を覚えている最中なのに、毎日席が変わるとなるとちょっと大変かもしれません。
確かに、いろんな人と話せる機会は増えるかもしれませんが、その分、日々の仕事の準備や後片付けに時間がかかるようになることは覚えておいた方がよさそうです。
席を巡るちょっとした心配事も
フリーアドレスは、職場のコミュニケーションを活発にする狙いで導入されることが多いのですが、意外なトラブルの種になることも。
例えば以下のようなトラブルが起こるかもしれません。
・窓際や出入り口近くなど、人気の席を巡っての小競り合い
・「暗黙の了解」で特定の人が同じ席を使い続けてしまうこと
・席選びを通じて、いじめにつながる可能性
特に人見知りの方や、コミュニケーションが苦手な方にとっては、毎日の席探しがストレスになるかもしれません。
また、在宅勤務ができる会社だと、「席探しが面倒だから、今日は家で仕事しよう」という選択をする人が増えるかもしれません。
これだと会社が期待している「オフィスでの活発なコミュニケーション」とは逆の方向に進んでしまう可能性があります。
せっかくフリーアドレスを導入するなら、みんなが快適に過ごせる職場にするために、これらの課題にもしっかり目を向けて対策を考えていく必要がありそうです。
いつの間にか「決まった席」になる可能性も
実は、フリーアドレスを取り入れている会社でよくあるのが、「建前上はフリーアドレスだけど、実際はみんなだいたい同じ席に座っている」という状況。
せっかく導入しても、こういった中途半端な状況になってしまいがちなんです。
こんな状況が続いているなら、思い切って「やっぱり固定席に戻そうか」と考えてみるのも一つの手かもしれません。
ここで大切なのは、現場で働く人たちの声に耳を傾けること。
管理職の皆さんには、「本当にフリーアドレスって上手く機能しているのかな？」「むしろ仕事がやりにくくなっていないかな？」といった視点で、日々の様子をしっかり見ていただきたいところです。
確かに、フリーアドレスによって社内の雰囲気が良くなったり、仕事がしやすくなったりする会社もあります。
でも、それは必ずしも保証されているわけではありません。
場合によっては逆効果になることだってあるんです。
だからこそ、状況に応じて柔軟に対応していく姿勢が大切になってきます。
まとめ｜フリーアドレスにはデメリットも……
フリーアドレスは、良いことばかりではありません。
メリットもあればデメリットもあります。
だからこそ「うちの会社は絶対フリーアドレス！」と決めつけるのではなく、その時々の状況に合わせて柔軟に考えていく必要があります。
うまくいっている場合は、そのまま続けていけばいいと思います。
でも、「なんだかうまくいってないな」と感じたら、思い切って方針を変えることも検討してみましょう。
大切なのは、会社全体の様子をよく見て、みんなが働きやすい環境を作っていくこと。
もし問題が出てきたら、すぐに原因を探って改善策を考えることが大切です。
完璧な制度なんてありません。
だからこそ、より良い方法を探り続ける姿勢が必要なんですね。
